有料制をめぐる住民側の反応の“実態”に注目すれば、反発を恐れてその採用をためらう市町村長や議員は、取り越し苦労をしていることになる。もっと端的な言い方をすれば、「有料制は住民サービスの後退につながる」という通念に固執している市町村長や議員は、意識改革の点て多くの住民よりも遅れている、とさえ言えなくもないのである。それが言い過ぎだとしても、少なくともこうした市町村長や議員が最近における住民意識の“変化”に気づいていないことだけは、否定できないのではなかろうか。とはいえ、住民意識の“変化”(あるいはその可能性)が見られるからといって、それを頼りにいきなり有料化に打って出ることは、票を失いたくない市町村長や議員にしてみれば、怖くてとてもできないかもしれない。また、住民意識のアンケート調査といった類のものは、実態や本音との間に多少ともズレがあるものである。したがって、こうした調査結果だけに基づいて意思決定をすることができないことも、分からないわけではない。そこで、こうした政策選定をめぐる複雑な問題に対処する一つの興味ある手段としてクローズアップされるのが、住民投票である。