倒産の実態

2012-02-05

たとえば、倒産についてである。企業信用調査をおこなっている東京商工リサーチによれば、ハブル崩壊後の一九九〇年代に負債を1000万円以上かかえた倒産企業の負債総額は従来とくらべて飛躍的に増えている。倒産の急増、大型倒産の連続を雄弁にものがたっているように見える。しかし、負債総額ではなく、何社が倒産したかという倒産件数を見れば、様相は変わってくる。九〇年代の倒産件数は、一九七三年のオイルショック後およそ10年間の時期にくらべて、むしろ少ない。

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上場企業の倒産が大きな話題になった一九九七年でも、一九八四年のピーク時よりも五〇〇〇件ほど少ないのである。さらに、企業信用調査会社の帝国データバンクの資料によれば、九〇年代における倒産企業の従業員数も、バブル景気がはじまる前とくらべて少ない。大型倒産のあいついだ一九九七年で、バブル直前の一九八五年から見ればまだ少ないのである。これはどう解釈すべきであろうか。倒産という指標から見た日本経済は、バブル以前とくらべれば、深刻ではないということになる。負債総額の多さは、バブル時にいかに無軌道なカネの貸し借りがおこなわれたかを示すにすぎない。さらにいえば、日本経済は一九七三年の第一次オイルショック直後にマイナス成長になったあと、一九七八年から輸出の急増を牽引車として顕著な回復を示した。一九七九年、経済企画庁は「すぐれた適応力と新たな発展」と題する『経済白書』を発表した。