医師教育が不安定

2011-03-23

医療保険が使える薬にはすべて公定価格がついており、薬価といいます。医薬品企業や卸売企業が医療施設に薬を売るときは、薬価より安く売ります。この差額を「薬価差益」といい、日本の医療施設の大きな収入源です。こんなカラクリがあれば、多くの医療施設で、高い薬を出そう、一度にたくさんの薬を出そう、患者をできるだけ長期間にわたって診療しようという思考がはたらくのは、火を見るより明らかというものでしょう。また、厚生省が「新薬」と認めれば高い薬価が決まるため、以前から製薬会社の新薬開発ラッシュが続いてきました。しかし、日本の新薬は前の製品をちょっともじっただけの「ソロ新」が多く(ソロソロ出てくるからこう呼ぶ、『厚生白書平成H年版』にも登場する言葉)、一万七〇〇〇剤(成分別なら二四〇〇種に減る)ほどもある日本の医療用医薬品の大半は重複しているだけだと言われています。それどころか、欧米で有効だと認められている六〇〇種類の標準薬のうち、三割が日本にはないそうです。ほかにも、大学の医学教育(卒前教育)や病院の医師教育が不安定で、内容もバラ、、ハラという問題なども複雑にからみ、日本にはずいぶん以前から「薬漬け医療」が定着してしまいました。薬物治療と検査ばかりがムダに横行すると、診断技術や手術技術をみがいて最小リスクで最大効果をあげる適正医療の探求や、もっとも医療費抑制に役立つ予防医学研究などにかける、時間もお金も精神までもが目減りし、医療の質は低きに流れていきます。

【参考】
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