お肌で働くうるおい防衛軍その主役は誰か

2011-02-02

ぬれたタオルを広げていたら自然に乾いてしまう。暖房のきいた部屋ではテーブルの上のパンもひからびる。しかし人間の角質層は、(正常な場合)約30%の水分を常に含んでいる。パンと皮膚は、何が違うのだろう。皮膚の中には水分を逃がさない仕組みが生まれつきそなわっている。そのひとつが天然保湿因子(NMF)である。アミノ酸や尿素などからなっており、水分を吸着する作用がある。すなわち、水と手をつないで飛んでいかないようにひきとめているのである。そしてもっと強力なのがセラミドである。最近化粧品にも使われ出したが、このセラミドは水をサンドイッチ状にはさみこむ性質があり、一度つかまえたら離さない。はがいじめである。このセラミドにつかまった水は、湿度がO%になっても蒸発しないし、気温がマイナス30度になっても凍らない。まさに神秘の水である。これがあるから人間は、砂漠から南極まで生きていけるのである。これら天然保湿因子やセラミドは、皮膚の中で作られてくるもので、その多い少ないで、乾燥肌かどうかが分かれる。これらの量が少ない人が乾燥肌になるので、化粧品で足せばよいのである。つまりセラミドを含んだ美容液などを使うことが本当の意味での「保湿」であり、化粧水をたたきこんだりウォータースプレーをかけることは、実は保湿にはなっていない(だから先ほどの?も×)。「水分=化粧水」という図式が頭にある人がどうしても多いが、セラミドが不足している肌に水だけ与えても、ざるに水を注いでいるに等しい。保湿とは、読んで字のごとく、湿度を保つことである。化粧水で湿度を与えただけでは「保つ」方の働きをするものが何もないので、保湿にはならず、しいて言えば「加湿」という程度である。ましてや乳液・クリームなどの油分はどうだろう。乾いた肌を油分で保湿しようとしても、乾パンにオリーブ油を塗る、まるでイタリアンの前菜のごとくである。

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